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指(第1関節)が伸ばせない
東京都荒川区・台東区の皆さんこんにちは。
茂澤メディカルクリニック 柔道整復師の福岡です。
現在東京ではさくらが満開ですが、時折冷たい風が吹き寒さを感じることも多く、
昼夜の服装選びが難しいですね。
さて、今回は『マレットフィンガー』について取り上げたいと思います。
壁やボールなどで指を突いてしまい、指先に外力が加わることで起こる指のケガを
総称して『突き指』と一般的にいいますが、損傷の程度によって骨折、脱臼や靱帯
、腱(けん)断裂という重傷もあり、中には手術が必要になるケースもあります。
受傷後に第1関節が伸ばせないという症状を訴えて来院される患者さんも
いらっしゃいます。これは、マレットフィンガー(槌指変形)といい指の一番先に
ある関節(DIP関節)が曲がったまま自力では伸ばせなくなった状態をいいます。
マレットフィンガーには、伸筋腱(指を伸ばす腱)の断裂が原因の
腱性マレットフィンガーと、末節骨(爪の下にある骨)の関節内骨折が生じて
起こる骨性マレットフィンガーがあります。
![](https://www.mozawa-clinic.com/wp/wp-content/uploads/2022/03/1647928668520-1-1024x512.jpg)
骨性マレットフィンガーの場合、バレーボールやバスケットボールなど、
スポーツ外傷でしばしば起こります。指はある程度は自力で伸ばすことができます
が、骨折ですから痛みは伴います。放置すると関節の脱臼や、第1関節(DIP関節)
が曲がり、第2関節(PIP関節)が反ってしまう“スワンネック変形“という変形を
来たしてしまう事もあります。
腱性マレットフィンガーの場合、軽い打撲や突き指、またはポケットに指を入れ
損ねたり、ズボンを引っ張り上げる際に指を引っ掛けたりと、日常で起こりえる
動作が原因となる事が多くあります。そして骨性マレットと異なり痛みがない事
も多いため、軽い突き指だろう放置してしまう方もいらっしゃいますが、放置する
と骨性マレットと同様に“スワンネック変形“という変形を来たしてしまう事も
あります。
治療方針についても、骨性マレットと腱性マレットでは異ります。
骨性マレットでは、受傷後の経過期間や骨折の程度、脱臼の有無によって手術を
勧められるケースが多くあります。
腱性マレットでも経過期間によっては手術もありますが、一般的に装具などの
保存的療法が行われ、固定期間は6~8週間程度となります。
![](https://www.mozawa-clinic.com/wp/wp-content/uploads/2022/03/IMG02031-1-1024x809.jpg)
曲がらないように
どちらにしてもそのまま放置してしまうと指の曲がりが強くなったり、バランスが
崩れて必要な治療が複雑になり回復しにくくなるため、早期治療が重要となります。
また、固定期間を守りしっかり治療をしないと、第1関節が屈曲したまま完全に
伸ばすことが出来なくなる事もありますので、たかが突き指と自己判断せずに
医療機関の受診をお勧めします。
リハビリテーション科 柔道整復師 福岡
監修 茂澤 健一(茂澤メディカルクリニック院長)